巨人阿部慎之助捕手(37)が、超速トレで通算2000安打をクリアする。17日、沖縄・伊江島での自主トレを公開。今春に阿部も助言を送った室内練習場が完成し、同地では06年以来となる自主トレを実施し、約2時間汗を流した。18年夏には新球場も完成予定で、阿部の名前を入れるプランも検討。自身の大記録とともに、村おこしにも貢献する。

 全身から噴き出る汗とともに、沖縄・伊江島の室内練習場に乾いた音が響き渡った。陽気な気候のもとで阿部は、1球1球、丁寧にボールを打ち返した。昨オフのスロー調整から一転、超ハイペースで約30分間バットを振った。

 阿部 (この時期に)去年はあまりやってなかったから。その分、スタートでずっこけた。相当悔しかったし、来年はそんな思いは味わいたくないから、変えようと。

 クライマックスシリーズ敗退から、約1カ月、目前に迫った大記録に向け、スタートを切った。巨人の大卒では、長嶋茂雄(現終身名誉監督)以来の通算2000安打まで残り83本。「サラッとね」と通過点ととらえるが、周囲の期待も自然と高まる。前日16日には、伊江島のシンボルとされる標高172メートルの城山(ぐすくやま)を登って、頂上から2000安打を祈願。同行した村役場関係者から「2100安打です」と懇願され、「頑張ります」と力強く誓った。

 汗を流した室内練習場は、父東司さん(61)とともに、アドバイスを送って、今春に完成したもの。自身の経験から、スペースを有効に使用するために丸形ではなく、四角形を推奨。天井部は東京ドームと同素材で、ロッカールームやシャワー室も完備された。「最高です! いい施設だよね」と太鼓判。子供たちへの野球教室も実施し、村役場関係者は「感謝の言葉しかありません」と感激した。

 壮大なプランも広がる。同室内練習場の裏には06年に自主トレを行ったグラウンドが存在するが、18年夏を完成予定に球場を新設。全面人工芝でスタンドやブルペンも完備される。名前は未定だが、関係者は阿部の名前を入れるプランも検討中。伝え聞いた阿部は「プロジェクト BY ~(何とか)みたいなのがかっこいい」と笑顔で話した。「社会人とか大学とか、キャンプに持ってこいだよ」とPRも忘れなかった。【久保賢吾】