日本女子プロ野球リーグのレイアが本拠地の宮城県から撤退することが28日、分かった。リーグ初の育成型チームとして15年から宮城を中心に活動してきたが、今季の公式戦9試合中ホーム戦はわずか3試合しかなかった。「レイア」の名を残して球団は存続する見込みで、新本拠地は近日中に発表される。

 2年目を迎えたレイアが宮城から撤退する。埼玉を本拠地にしていた「ノース・レイア」が、15年から「東北レイア」に名を変え、今年からは全国での活動を視野に入れてチーム名から「東北」を外していた。今季は9戦中3試合のホーム戦以外を鹿児島、熊本、岐阜、京都、埼玉で開催するなど、活動の幅を広げていた。女子プロ野球をより普及させるために、宮城から発展的撤退の道を選んだ。

 仙台市民で行われた6月3日の開幕戦は平日のナイターにもかかわらず、約1000人の観客が訪れた。2年目を迎えて着実にファンは根付いていたが、8月に予定されていたティアラカップ石巻大会がリーグの都合で、急きょ開催中止。告知したSNS上では多数のファンから開催を願う書き込みであふれかえった。

 初の育成型チームとしての役割は全うした。今季から元巨人ドラフト1位投手の辻内崇伸コーチ(28)が埼玉から配置転換で加入。エース右腕・古谷恵菜投手(20)を指導し、球速を最速119キロまで引き上げた。「美人すぎる外野手」こと、みなみ外野手(20)が長距離砲に成長するなど、確実に選手たちはレベルアップを果たしていた。

 古谷、みなみを始め入団2年目の6人は、来季トップチームでのプレーが濃厚。関係者によると、来季は宮城県内で公式戦開催を検討しており、古谷、みなみらが凱旋(がいせん)する可能性は高い。2年間の東北での経験を糧に、大きく羽ばたく。

 ◆日本女子プロ野球リーグ 健康サプリメントを扱うわかさ生活(京都市下京区)が09年に設立。毎年のチーム編成を経て今季はトップ3チームの埼玉アストライア、京都フローラ、兵庫ディオーネに、育成型チームのレイアが活動している。レイアにはトライアウトに合格した高卒新人が入団するのが通例。4チームの選手、監督、コーチを始めとしたスタッフは、いずれもわかさ生活の社員。