必ずレギュラーに返り咲く! 阪神鳥谷敬内野手(35)が2日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改に臨んだ。5年契約の2年目を終え、現状維持の年俸4億円(推定)でサイン。今季は絶不調から遊撃先発の座を失い、連続フルイニング出場も667試合でストップ。オフは主将の座を福留に譲り渡した。現状を「レギュラーじゃない」と自己分析し、来季の開幕スタメン奪取を高らかに誓った。

 プライドをかなぐり捨て、現状と向き合った末の表情だ。鳥谷は顔色ひとつ変えずクールに言い切った。

 「現実、自分はレギュラーじゃない。もう1度、1年間しっかりレギュラーを取って、長いこと味わえていない優勝に向かっていきたい」

 長打力増を狙った今季。果敢に変革に挑んだ結果、絶不調に苦しんだ。打率は13年目で自己ワーストの2割3分6厘。「ふがいないシーズンでした」。7月24日広島戦で先発を外れ、連続フルイニング出場が667試合でストップ。遊撃レギュラーの座を失い、12年ぶりの三塁も経験した。

 連続試合出場は1752まで伸ばし、球界歴代2位となる金本監督の1766試合が射程圏内に入っている。ただ、今は個人記録に目を向ける余裕はない。

 「開幕からレギュラーを取って試合に出ないと始まらない。自分がレギュラーを取れるポジションでチャレンジしたい」

 遊撃には22歳北條が台頭した。金本監督は鳥谷について二塁や三塁での起用も頭に入れているが、まずは12年間守り抜いてきた遊撃の座を取り戻しにかかる覚悟だ。

 11月22日の球団納会。5年間務めた主将の座を福留に譲り渡すことが決まった直後、大先輩と本音をぶつけ合った。「このチームが勝つには必ずトリの力が必要。もう1度キャプテンマークをつけてほしい」。福留から受け取った熱い言葉の数々を胸に再起を期す。

 「ありがたいという気持ちを力に変えて…。キャプテンは、チームが勝つためにあるもの。キャプテンマークは試合に出続ける選手がつけるべき。やる、やらないは別にして、しっかり(立場を)取り戻して、そういう立場にいられるように頑張りたい」

 年始の自主トレ地はまだ流動的だという。1年前に汗を流したハワイや沖縄を軸に、もっとも土台作りに最適な場所を選定する。

 「自分ができていたことを取り戻せば、勝負できると思っているので」

 36歳シーズン。逆襲の1年になる。【佐井陽介】

<鳥谷の一問一答>

 -今季はどんな1年

 鳥谷 1年間試合に出続けることを目標にやってきて、連続フルイニングを達成できなかった。悔しいシーズンでした。打つにしろ守るにしろ、いろんなことを試してチャレンジして、良かったり悪かったりで。

 -来季に向けて

 鳥谷 まずはしっかり試合に出られるようアピールしたい。キャンプからケガをしない体を作るのが一番。2月1日からしっかりアピールしないといけない。

 -2・1に向けて早めに仕上げていくのか

 鳥谷 体というよりは気持ちを、ですね。

 -主将ではなくなる

 鳥谷 個人としてしっかり準備して、シーズンになっていろんなことがある時に(福留)孝介さんに全部任せるだけじゃなく、自分も力になれれば。

 -福留は「もう1度鳥谷をキャプテンに」と

 鳥谷 そう言ってもらえるのは非常にありがたい。キャプテンはレギュラーであることが大前提。その立場にいないといけない。