日本ハム大谷翔平選手(22)が、早ければ来オフのメジャー移籍を球団から容認された。5日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍が話題に上り、球団から大谷自身の意思を尊重する姿勢を示された。

 ポスティングシステムは、海外FA権取得前の選手がMLB球団に移籍できる制度で、日本球団が上限2000万ドル(約22億円)の譲渡金を設定し、その額を支払う意思があるすべてのMLB球団が、選手と30日間交渉することができる。現行制度は13年12月に日米間で締結。旧制度では譲渡金の上限がなく、交渉は最高入札額を示した1球団に限られていた。

 旧制度で移籍した松坂は入札額約5111万ドル(約60億円=当時)、ダルビッシュは約5170万ドル(約39億円=同)で移籍。一方で現行制度で移籍した田中、前田は、ともに2000万ドルで海を渡った。

 仮に入札金の上限がなければ、大谷は過去最高額に達する可能性もあるだろう。上限額の変更など、制度を改正する場合、契約終了日である10月31日の180日前(5月5日)までに、NPB、MLBのいずれかが希望すれば、協議が開始される。3年の契約期間満了となる今季から改正可能だったが、今オフは制度を利用する日本人選手が少ないと予想されたことや、MLB側も労使交渉で多忙だったため、日米双方とも改正を申し入れなかった。

 大谷が来年3月のWBCで活躍すれば、大リーグからの注目度もさらに上がるだろう。日本が改正を希望する場合、実行委員会で4分の3に当たる9球団以上の賛成が必要になる。