日本野球機構(NPB)は20日、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の主力となる侍ジャパンのメンバー18人を先行発表した。日本ハム大谷翔平投手(22)は、1次ラウンドB組の開幕戦となる同7日キューバ戦(東京ドーム)の先発登板へ熱意を口にした。最終メンバーは28人。招集を目指す日本人大リーガーの動向を見極めながら、登録期限となる来年2月6日(日本時間同7日)までに決定する。

 目指すのは、開幕のマウンドだ。大谷が、WBCの大事な初戦となる、来年3月7日キューバ戦(東京ドーム)の先発登板へ意欲を示した。「何も言われてないですけど、先発の候補ではあると思う。(キューバ戦に)イメージして合わせていきたい」。侍ジャパンの行方を大きく左右する、大一番に照準を合わせた。

 NPBから今回18人が先行発表されたのは、代表としての自覚を促すとともに、準備期間をしっかりと確保してもらうため。「もともとそのつもりで(練習スケジュールを)組んでた」という大谷も、慣れないWBC球への対応もあり「そこに向けて練習できるのは大きい」と、この日のメンバー選出がひとつの区切りになりそうだ。

 第1ラウンドは65球という球数制限が設けられている。場合によっては早期降板しなければならない状況も出てくるが、大谷は「それは意識しない。いい投手もたくさんいるので、初回から飛ばしていける」と、長い回を見据えず、初球から全開で立ち向かう。

 プエルトリコに準決勝で敗れた前回大会は、入団間もないプロ1年目。テレビで観戦していた。「ずっとそこの舞台でやりたいと思ってきた」。花巻東時代からメジャー志望を公言する大谷にとっては、各国の強敵と対戦できることもモチベーションのひとつになる。「そこを倒して金メダルを取るというのはすごくやりがいがあるし、達成感があると思う。どういう感覚になるか楽しみ」。1安打完封勝利でリーグ優勝を決めた9月28日西武戦、165キロをマークしたクライマックスシリーズ、そしてサヨナラ打の日本シリーズ。いまの大谷は、舞台が大きくなるほど能力が覚醒する。「やるからには世界一」。大谷の活躍が、日本列島を熱狂に包む。【本間翼】