12勝3敗。ソフトバンク千賀滉大投手(23)は先発転向1年目でローテーションの一角に定着した。和田(15勝)、武田(14勝)に続くチーム3位の勝ち星を挙げ、9つの貯金をつくった。防御率2・61と奪三振181はチームトップだ。

 落差の大きい「お化けフォーク」で13年に中継ぎとして51試合に登板しブレークした。だが、その後は右肩痛などに泣かされた。15年から先発に転向。2軍で1年間ローテーションを守らせ9勝2敗の成績を残したことが、今季の先発での再ブレークにつながった。

 「1年間ケガしなかったことが一番」。体が柔らかいからこそ剛球を投げられるが、柔らかすぎる体は故障のリスクも高い。7月30日の日本ハム戦ごろから体が悲鳴を上げていた。「キャッチボールもできない。力が入らない。肩が動かない…。中継ぎだったらダメだけど、先発は中6日ある。それが大きかった」。使うほど筋肉が硬くなる。なるべく投球動作を行わず、休ませながら肩を使うことで、違和感を抱いた8月も3勝1敗で乗り切った。

 「もっと鍛えて、信頼される投手にならないと」。今季は完封目の前で失点したり交代させられた。スタミナをつけて来季は完封、完投を増やす。今年の経験と自信を胸にエース格へとさらに飛躍する。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】