【ピオリア(米アリゾナ州)2日(日本時間3日)=本間翼、木下大輔】右足首痛のため、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の侍ジャパンメンバーから外れた日本ハム大谷翔平投手(22)が、チームの3年連続となる開幕投手も絶望的な見通しとなった。現在はブルペン入りのメドも立っていない状況。3月31日の開幕戦(西武戦、札幌ドーム)から逆算し、栗山英樹監督(55)は投手調整が間に合わない見解を示した。

 大谷のWBC不参加が決まる前に、栗山監督が言及していた。昨季まで2年連続で務めていた大谷の開幕投手についてだ。「開幕には、もともと間に合わないと思っていたから。いろいろな投手の可能性がある」と見解を示した。大谷はスパイクを履いての動きも見通しが立たない状態。ブルペンでの投球練習のメドも付いていない右腕について、指揮官が方向性を口にした。

 右足首の故障がなくても微妙な立場ではあった。投打「二刀流」で臨むはずだったWBC。日本の公式球とは違うボールを使用することもあり、指揮官は「あのボール(WBC球)で難しいと思っていた」と、手に残ったであろう感触を元に戻すことの大変さも頭に入れていた。決勝まで進出すれば、チーム復帰は開幕1週間前というスケジュールからも、あらかじめ厳しい見立てをしていた。

 大谷は、1月のイベントで3年連続開幕投手について意欲を語っていた。日程などで厳しい条件と承知しつつも「(首脳陣に)投げさせたいと思ってもらえるかどうか」と、大役への思いを明かしていた。WBC出場はなくなり、患部の回復に専念できる状況は整ったが、3月31日までに万全を整えるのは難しいというのが栗山監督の想定だ。

 昨年11月に指揮官は今年の開幕投手について「白紙だね」と話していたが、大黒柱の調整遅れは大きな痛手となる。その分、他の投手に寄せる期待は大きくなった。現時点では「(練習強度は)徐々に上げることしかできない」と話す大谷抜きで、昨季チーム最多11勝の有原、昨季新人王の高梨ら複数の候補に競わせる見通し。チームの最善を考え、先発ローテーションを固めていく。