日本人最初の、WBC胴上げ投手。だがその後は右肘痛に苦しみ、6度も手術を受けた。大好きな野球が全力でできない苦しさは理解できる。だからこそ、無駄な時間ではないと説く。「この後のプレーヤー、指導者となったとき、いまこの経験は役立つと思う。それに、克服して復帰することで、(同じ苦しみを持つ人に)勇気を与えられる」と、エールを送った。

 大谷はこの日も、ランニングやキャッチボールなど別メニュー調整。室内でのティー打撃など、大半がグラウンド外のメニューのため「ひきこもりになっている」と自虐的に笑うが、ダッシュの強度は少しずつ上がっている。「今の範囲ではこなせています。開幕までにどこまで上げられるかわからないけど、シーズンで活躍できるようにしたい」と見据えている。

 代わりに侍ジャパンに選出が決まったソフトバンク武田へは、メールで連絡を取った。「(自分も)1回は選ばれている。テレビの前で、しっかり応援したいなと思います」。大塚氏が話すように、侍ジャパンの奮闘もメンタルをプラスに持っていく要素のひとつ。仲間が世界一へ近づくとともに、自身も復活への階段を駆け上がっていく。【本間翼、木下大輔】