日本ハムからFA移籍した巨人陽岱鋼外野手(30)の実戦デビューが3月にずれ込むことが10日、分かった。陽は宮崎キャンプ中の9日に下半身の張りを訴え、練習を切り上げた。この日も球場入りはしたがグラウンドに姿を見せず、治療などを行い、球場を後にした。

 しばらくは別メニューで様子を見守ることになり、2月から3月初めにかけて1軍の試合に出場するのは厳しい状況となった。患部の回復次第では復帰が3月中旬になる可能性もある。高橋監督は「今の時期に無理に頑張ってやることはない。違和感や不安があるなら、しっかりコンディションを整えてほしい。(14日からの沖縄2次キャンプ参加は)昨日の今日だから、どの程度か分からない。こちらからしたら、そこまで今やる時期じゃない」と慎重な姿勢を見せた。

 陽の離脱で、シーズンに向けた準備に影響が出ることは否めない。2月中旬から侍ジャパンの坂本勇、菅野、小林がWBC出場のためチームを離れる。米国での決勝戦は3月22日(日本時間23日)。巨人のオープン戦の最終戦は26日ロッテ戦で、中日との開幕戦(東京ドーム)は同31日。陽を据えたベストメンバーを組めないまま開幕を迎える可能性も出てきた。

 センターラインの強化と1番や3番といった打線の中核を託せると期待し、オフに5年総額約15億円(推定)で獲得した。明るい性格もあってチームにもすぐに溶け込み、打撃と守備でも軽快な動きを見せていた矢先のアクシデント。日本一奪還に欠かせないキーマンの、1日も早い復帰が待たれる。