オリックスに新風が吹いた。18日、チーム今年初の対外試合となる広島との練習試合(宮崎・清武)で新人4投手が実戦デビュー。全員が1回無失点と好発進した。ドラフト1位の山岡泰輔投手(21=東京ガス)と同2位の黒木優太投手(22=立正大)は「侍封じ」でともに3者凡退。開幕ローテーション入りをアピールした。

 強風が吹き荒れたオリックスのキャンプ地で、新時代の息吹を感じた。新人4投手が躍動。まずは先発の山岡だ。WBC代表で、広島が誇る1、2番との対決を含めて3者凡退。わずか5球で片付けた。

 「理想的。イメージ通りの投球ができた。球数は少ない方がいい。できれば(1試合)27球で終わりたいと思っているので」

 1番田中は初球直球で二ゴロ。2番菊池には得意のスライダーをはさみ、この日最速145キロで中飛に。3番堂林も直球で一邪飛に仕留めた。菊池には「スライダーに切れ味があった」と言わしめた。

 172センチ、68キロの小柄な右腕。休日は買い物が趣味で、スリムのデニムを好んで履く。「他球団の選手を全然知らないんです」と笑う姿は、おしゃれで今どきの野球選手といった雰囲気を漂わせる。

 2番手黒木も続いた。4番の侍ジャパン鈴木を左飛。バティスタ、メヒアの育成外国人2人も直球でねじ伏せた。こちらは最速147キロ。「体が開くのを修正できていない。30点」と自己採点は辛口ながら、堂々のデビューだった。

 ドラフト上位コンビが好発進。福良監督も「山岡は5球だったし、もうちょっと見たかったくらい。黒木も強い真っすぐを投げていた。(先発)5、6番目に入って来てくれたら」と目を細めた。

 この日はオリックス本社の井上亮社長兼グループCEO(64)が来訪した。「去年は1回しか試合を見に行かなかった。今年は10回、20回と見に行きたくなるようにしてください」と練習前に訓示した。求めるのは最下位からの浮上はもちろん、エキサイティングな試合運びだ。ファンも同感だろう。新人も巻き返しの貴重な活力となる。【大池和幸】