A組に合流したソフトバンク柳田が、豪快なアーチを連発した。前日25日の「侍ジャパンオープニングマッチ」で復帰。26日がキャンプ地のメイン球場、アイビースタジアムでの初フリー打撃だった。46スイングで柵越えは14本。3連発3度、さらに4連発も1度あり、右翼ポール奥の林に打ち込む場外弾も放った。「最高っすよ。風もないし(使用する)ボールもいい。自分のスイングで振ることだけ考えて、そこに打撃投手がいい球を投げて打たせてくれる」と、うれしそうに笑った。B組が使用する生目第2はスタンドがなく風の影響を受ける。環境面の充実したA組で、思い通りのアーチを描いた。

 柳田を育て、今季から1軍復帰した藤本打撃コーチは「バットのトップの位置が昨年は寝ていたが、今年は立てている。コンパクトになっているし、ムダな動きがない」と好調の要因を解説。同じフルスイングでも、バットが最短距離で出るため、球を捉える確率も上がる。柳田も「形がしっかり固まってきている」と手応え十分だ。

 右肘痛の影響で、まだ投げられず外野守備には就けてない。この日は工藤監督から、肘への負担が小さい投げ方を指導された。カットマンへの短い距離を投げられるようになれば、中堅の守備に就く可能性も出てくるが、当面は指名打者での起用が続く。工藤監督は「1年間そこと戦いながらになるのかな。トレーナーに日々状態を聞きながら」と、今季は右肘に爆弾を抱えたまま戦うことも覚悟。ただ、打撃面では全開でシーズン開幕を迎える。【石橋隆雄】