今オフに大補強した巨人だが、FAで獲得した山口俊はキャンプ3軍スタート。陽岱鋼もキャンプ中にケガをして離脱。即戦力として期待したドラフト1位の吉川尚輝内野手(22=中京学院大)も右肩の違和感で3軍スタート。思うように進まないのは「世の中の常」だが、不安な状況が続いて締まっている。

 その中で新戦力として胸を張れるのが、新外国人のカミネロだろう。キャンプ中から150キロ台の速球をマーク。制球力に課題があるという触れ込みだが、現在のところはそれほど悪いという印象はない。昨年は沢村がストッパーを務めていた。同じような状態なら厳しいと思っていたが、カミネロが守護神として活躍できれば手厚いリリーフ陣になる。

 ただ、外国人枠の使い方が難しい。投手ではマイコラス、マシソンがいて、ここにカミネロを加えると残りは1枠。野手の新外国人マギーがキャンプでは結果を残しているが、一塁には阿部がいて三塁には村田がいる。起用するなら二塁になるだろうが、守備範囲の狭さなど、守備での課題が大きい。ギャレット、クルーズと併用でやりくりする高橋監督の手腕が、大きなカギを握っている。(日刊スポーツ評論家 宮本慎也)