本拠地初見参の「シン・ゴジラ」が、いきなり結果を残した。日本ハムのドラフト4位森山恵佑外野手(22=専大)が、1日の中日とのオープン戦(札幌ドーム)に「7番・右翼」で先発。4回2死一、二塁からフェンス直撃の左越え2点適時二塁打を放ち、先制点をもぎ取った。「ゴジラ」松井秀喜氏と同じ星稜から、専大を経て入団したルーキーが、故障者続出の外野手争いでアピールに成功した。

 「シン・ゴジラ」の破壊力抜群の一打に、札幌ドームがわいた。4回2死一、二塁。この日2度目の打席に立った森山の放った打球は、左翼手の頭上を大きく越え、フェンスを直撃した。「打った瞬間入ったかなと思ったけど、全然入らなかった。神宮なら入っていた」と、専大時代の主戦場を思い浮かべ笑った。初めてプレーした新たな本拠地で、ファンの声援を受けながら広さを実感。「ドキドキしっぱなしだった」と、デビュー戦で初々しく躍動した。

 外野手の離脱者が続出し、めぐってきたチャンス。沖縄・国頭での2軍キャンプ中に急きょ1軍に招集された。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷に戻るつもりだっただけに、冬服を持たず札幌入り。前日2月28日の練習後、同期の石井一と札幌市内で冬服の調達に繰り出した。買い物後に焼き肉を食べ、初のホーム戦前のプチ決起集会。ルーキーで唯一、1軍キャンプスタートだった石井一の存在は心強く、刺激を受けながら過ごしている。

 オープン戦初戦の阪神戦は4打数無安打。3三振と完全に力負けした。2試合目での初安打は、金子打撃コーチの「小さくなるクセがあるから大きく」の助言から、ダイナミックに挑戦し、生み出した。「広角に長打を打てるのがストロングポイント」と、自信も少し、取り戻した。栗山監督も「良かったねぇ。森山らしさは長打力だから」と喜んだ。

 ゴジラ松井氏の後継者は、チームにもなじみ始めている。188センチ、96キロの大きな体が、映画「モンスターズ・インク」のキャラクター「サリー」に似ていると、同学年の宇佐美らからは「サリー」と呼ばれている。「とにかく1日1日、1試合1試合、精いっぱいプレーするだけ」。1年目から怪獣やモンスターばりに、相手チームを怖がらせる存在になる。【保坂果那】