日本ハム有原航平投手(24)が、自身初の開幕投手へ上々の内容を披露した。9日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に先発し、4回3安打1失点。ジェンセンに1発を浴びたが、中村晃、柳田から見逃し三振を奪った内角直球に手応え十分だった。31日開幕戦(対西武、札幌ドーム)の先発最有力右腕が、順調に歩みを進めている。

 有原の直球がズバッと内角に決まった。3回に迎えたピンチの場面だ。無死二塁で1番中村晃のカウント0-2で投じた3球目。コースいっぱいの146キロで見逃し三振を奪った。2死三塁からは4番柳田に2球連続カットボールで0-2と追い込むと、この日の最速147キロを投げ込み、バットを振らせず三振に仕留めた。驚き顔の柳田。有原の口角は少しだけ上がった。「真っすぐは良かった。インコースに投げることはできている」と、自身も会心の3球三振だった。

 今季2度目のオープン戦。前回の反省をぶつけた。初回の入りが課題だった。2日の巨人戦(札幌ドーム)で1回に自身1イニング最多被安打数を更新する7安打で4失点と苦しんだ。この日は、いきなり味方失策から無死一、二塁とされたが、落ち着いて後続を抑えた。4回にジェンセンに変化球を左翼スタンドに運ばれて「反省しないと」と悔やんだが、「立ち上がりはいい投球ができた」と、修正はできた。早大の先輩、和田との投げ合いは「去年もたくさん投げ合ってて、大事なところで三振を取れるし、勉強になる」と、楽しんだ。

 3年目、大役への準備は整いつつある。栗山監督は開幕投手について「まだまだ。全員候補」としたが、「順調にはきている」と、有原への信頼を高めている。チームの柱、大谷が投手としては開幕には間に合わない状況。連覇を目指すチームの大事な初戦のマウンドへ、有原は「任されたところをしっかりやるしかできない」。右腕の腹は決まっている。【保坂果那】