あるぞ開幕二塁! 中日溝脇隼人内野手(22)がビックリ弾で初の開幕1軍に近づいた。5回2死二塁で多和田の直球を強振し、右翼席へ放り込んだ。プロ4年間でわずか1安打。オープン戦は5年目で初先発。2軍でも通算3本塁打の小兵が、1軍初アーチで味方ベンチをも驚かせた。

 「本塁打は普段打たないから感覚が…。どう走っていいか分からなかった(笑い)。当てるだけじゃなくしっかり振ろうと思った」

 森監督は「タイムリーは期待していたけど、本塁打は期待していなかったよ」とうれしそう。昨秋のフェニックス・リーグでは3割3分3厘。台湾での冬季リーグでも3割5分3厘。もともとミート力には定評があった。「強く振る」をテーマに打撃向上をはかってきた成果が出ている。

 同じ熊本出身であこがれの荒木からは背番号2の禅譲も約束されている。走塁能力は森監督が遠藤、石岡とともに名前を挙げるほど期待が高い。スペシャリストの荒木も「センスあるよ」と認める期待の星だ。

 二塁→三塁→二塁でフル出場。普段守らない三塁に就かせたことが首脳陣の「使いたい」気持ちを表している。初回は金子侑の二遊間への打球を横っ飛びで抑え、昨季盗塁王より先に一塁送球する強肩も見せた。

 荒木をはじめ亀沢、京田ら同タイプのライバルは多いが、開幕スタメンすら狙える位置にいる。「チャンスは少ない。積極的にプレーしてどんどんアピールしていきたい」。初の1軍キャンプから、アピールを続ける若竜の勢いが止まらない。【柏原誠】