阪神能見が「ケンカ投法」のリハーサルだ。1週間後の開幕3戦目、4月2日は広島打線の胸元を突く。オリックス相手に、そんな予行演習を敢行した。1回1死満塁。小谷野にしつこく内角攻めを貫くが、最後は速球を左前にライナーで運ばれ、先制点を許した。

 それでも、2回以降もスタンスを変えない。右打者の懐に速球を押し込む。5回4失点だったが、愚直にスタイルを押し通した。能見が「意図的に投げました。いろいろ生命線になってくる。いまのところ」と話せば、コンビを組む梅野は「インコースをどれだけ攻められるか」と説明。左打者にも、早いカウントから内角を攻めるのが今後の課題だろう。

 今季は投手板の三塁側を踏んで投球を重ねる。一塁側からリリースするよりも右打者にとっては距離感を測りづらいだろう。いざ、本番。冷静に「初めての開幕じゃない。自分個人でやるだけ」と言い切るベテランの姿が頼もしい。