阪神が、初回に4点取っておきながら逆転黒星…。しかも、5時間24分に及ぶ激闘ならぬ大乱戦で、ミスのオンパレードでのサヨナラ負けだ。延長10回、ドリスのけん制悪送球に糸原の一塁への悪送球。2失策が出て、万事休す。阪神金本監督は、怒りを通り越して、あきれ果てた。「これだけミスが出たら、そりゃ…。記録に出ないミスもあるし、勝たせてあげたようなもの」と、吐き捨てるように言った。

 前夜も3失策があったが、開幕勝利とあって「大目に見ましょう」と不問に付した。この日は増えて4失策。さすがに見過ごせなかった。金本監督は、2人の野手をやり玉に挙げた。6回に盗塁を刺そうと、梅野が二塁にストライク送球。これを上本が捕球できなかった。8回には高山が菊池の飛球を正面に入りながら、落球した。「目の前のプレーをちゃんとしないと。自分の範囲のボールは。特にノーバウンド。2つか。高山と上本か。ノーバウンドはノー文句で捕らないと」。基本的なプレーができないことに、いら立った。

 序盤から打線の援護を受けた投手陣もふがいなかった。先発岩貞の5四球を最多に合計13四球。「ピッチャーもフォアボールが多かった。いくつ? 13? いくら延長10回でも、13四球はちょっとアレやね」と金本監督は深いため息をついた。

 両軍合わせ9回まで26四球は、プロ野球最多タイという大荒れの試合。2戦で18得点と攻撃力は確実に上がっている。広島相手に開幕2連勝も狙えただけに、痛恨の敗戦になった。【田口真一郎】