辻西武が「新・勝利の方程式」で、王者日本ハム相手の開幕カードを勝ち越した。2点リードの7回、WBCに出場した牧田和久投手(32)を、投入。打者3人を10球で抑えてリズムをつくると、8回ブライアン・シュリッター(31)9回増田達至(28)とつなぎ、反撃の糸口すらつくらせなかった。

 背番号35が試合を加速させた。7回。牧田は先頭の大野を1球で捕邪飛に打ち取り、リズムに乗った。「あれが大きかった。先頭が出なければ、相手の作戦の幅も狭まる」。続く中島をわずか4球で三振に。西川も三ゴロに打ち取った。

 この間、わずか2分48秒。牧田は「向こうに行きかけた流れを変えられた」とうなずいた。続く8回は新外国人シュリッター。大谷には自らのグラブをはじく内野安打を許したが、完全に詰まらせた。中田、そして8打席連続出塁中の近藤から連続三振を奪った。

 そして最後は守護神・増田。最大の武器カットボールだけでなく、この日は新球フォークも披露。岡への決め球に使い、空振り三振に仕留めた。「最後を任せてもらえて光栄。今日のようにフォークが使えれば、投球の幅が広がる」と笑顔を見せた。

 辻監督は「牧田がリズムをつくってくれた。8、9回も完璧じゃないですか」と相好を崩した。8回、メヒアが四球で出ると、外崎を代走に。そのまま外崎を二塁、浅村を一塁に回した。「勝利の方程式」を、堅守の布陣でもり立てる必勝パターンを形にした。終盤3イニングを締める形ができたことで「先発投手が6回までいきさえすれば」という計算も立つ。辻監督は「今日はいい1勝」と満足げに締めた。【塩畑大輔】