楽天が終盤の逆転劇で開幕3連勝を飾った。2日のオリックス3回戦(京セラドーム大阪)は、相手先発の西を打ちあぐね、7回まで無得点。プロ初先発の古川が4点を失い、敗色濃厚だった。だが、8回に茂木栄五郎内野手(23)の1号2ランで流れを変えると、9回にはカルロス・ペゲーロ外野手(30)が逆転の2号2ラン。14年以来、3年ぶりの開幕3連勝だ。最高のスタートを切り、明日4日、本拠地開幕シリーズで同じく3連勝のソフトバンクを迎え撃つ。

 ペゲーロの逆転2ランがセンター5階席に飛び込むと、京セラドーム大阪は不思議なほど静まり返った。誰が予想しただろうか、この展開を。オリックスファンも、楽天ファンも衝撃の逆転劇に一瞬、声を失った。「また、同じところに行くとは…」。勝った梨田監督でさえ、言葉を探す。2日前、開幕戦の延長V弾と全く同じような打球が、楽天に開幕3連勝をもたらした。

 「そんなに簡単に3連勝できないと思っていた」というカード3戦目。正直に振り返った梨田監督には、昨年の「負のデータ」が頭にあった。同一カード3連勝に「王手」をかけた試合でなんと1勝8敗。結果、大型連勝ができず、両リーグで唯一、4連勝以上がなかった。

 この日もプロ初先発の古川が4回持たずにKO。打線も西のていねいな投球の前に、7回まで散発4安打の無得点に抑えられていた。しかし、昨年の楽天とはここからが違う。8回、茂木の1号2ランで西を引きずり降ろすと、この回さらに1点。9回にオリックス守護神平野を攻め、土壇場で試合をひっくり返した。

 開幕直前に岸、安楽にアクシデントが発生。美馬、辛島、古川と予定していなかったローテ順で開幕シリーズに臨むしかなかった。「そういう事情を分かって野手が奮起してくれた」と梨田監督。開幕3戦で打線は計34安打、24得点。しかも、延長、圧勝、逆転勝ち。昨年にはない勝負強さが際立つ。

 森原、高梨、菅原の新人中継ぎトリオがいずれも無失点デビューを飾るなど、課題だった救援陣も確実に底上げしている。開幕戦、楽天のベンチ下にはそっと「カップ酒」が置かれていた。清めの酒は2戦目から姿を消し、堂々の3連勝。「3連勝すれば3連敗することもあるからね」。梨田監督は冷静だが、期待が高まる滑り出しであるのは確か。勢いが本物かどうか、明日4日からのソフトバンク戦が最初の試金石となる。【沢田啓太郎】