いざ、夢の舞台へ! 広島ドラフト3位の床田寛樹投手(22=中部学院大)が5日の中日戦(ナゴヤドーム)でプロ初登板初先発する。新入社員同様の初々しさだが、遠慮はない。2日の阪神戦(マツダスタジアム)で白星を挙げた九里の投球を見て、内角攻めを誓った。大学時代に中日2軍と対戦し、ナメられたと感じた名古屋で、プロのキャリアのスタートを切る。

 マツダスタジアム周辺の桜も満開。広島駅は同年代のフレッシュマンであふれていた。新人床田も同様に、5日の中日戦でデビューする。入団、キャンプ、オープン戦と、研修期間は終わった。「緊張はしないタイプですが、さすがに力が入ると思う。投げるからには勝ちたい。チームの勝利に貢献したい」。初々しさも混じりながら、しっかりと意気込んだ。

 社会に出れば、年齢は関係ない。助言や優しさも時にはあれど、やるのは自分だけだ。ましてプロ野球界は弱肉強食が常。遠慮で武器を失うつもりは、床田にはない。前日の阪神戦で勝った九里の投球を見て学んだ。「当ててもいいくらいの気持ちで。九里さん、シュートでめっちゃいってましたもんね。外角の球も打ちにくそうだった」。右打者にはナチュラルにカットする直球とスライダー、左打者にはツーシームがある。どちらにも使える大きなカーブをまじえて、両コーナーで勝負する。

 インターンシップも体験済み。中部学院大の3、4年時に東海選抜でナゴヤ球場の土を踏んでいる。中日2軍戦に登板し、好投した記憶が残る。だが一方で「アマチュア相手やったんで、多分ナメてたと思うんですよ。手を抜いていたというか。でも同じ舞台に立ったので、もうそういうことはないと思う。自分の力が出せれば抑えられると信じている」。初体験のナゴヤドームで自分を表現する。

 新たな1歩は、大きな1歩になる。開幕カードを勝ち越したチームの勢いに乗る。怖いもの知らずの新人の度胸も大きな武器になる。不安もあるが、自分の価値を表現出来る楽しさも学ぶはずだ。「とにかく試合をつくること。じゃないと次につながらないので」。新人らしく、いけるところまで突っ走る。【池本泰尚】