中日のOB山本昌氏(51=野球評論家)が本拠地開幕戦で始球式を行い、ワンバウンド投球に苦笑いだった。

 山本氏はナゴヤドームが創設された97年の開幕戦に登板。初の大役を務め、白星を飾った。当時と同じモデルのユニホーム、8年前に実際に使用していたアンダーシャツとストッキングを着用して登場。現役時代のように大きく振りかぶる投球フォームを披露したが、ボールはワンバウンドし捕手杉山のミットに収まった。「暇を見つけてはナゴヤ球場で練習してきたけど、傾斜は使わなかった。傾斜を計算していなかった。恥ずかしい! 開幕3連敗で何とか活を入れる意味で投げたけどワンバンでした」と声を上げた。

 マウンドに向かうとロジンバッグを触り、足元をならすルーティンが無意識に出た。「あそこに立って、あらためてすごいところで野球がやれていたんだと思った。ここで野球をやれていることを感謝してやらないといけない。ナゴヤドームの初めての試合(のマウンド)を踏ませてもらった。懐かしく感じましたね」と振り返った。