日本ハム大谷翔平投手(22)が、プロ初の「2番DH」でスタメン起用された。試合前。ロッカールームにオーダーが張り出されると、興奮気味のレアードら外国人から「トゥー!!」と声をかけられた。「いつも通り、自分のスイングをしようと思った」。気持ちを切り替え、2番目の打者として試合に入った。

 栗山監督には明確な意図があった。「日本の打順像を、どうやったら消せるんだと。この5年間やってきたけど、消えなくて。まだ2番に入れた選手が2番になりきっちゃう」。過去には小笠原がバントをしない2番として活躍した日本ハムだが、今では2番には犠打や進塁打など、つなぎの意識が浸透。長打のある打者を2番にしても、イメージを崩せないことが多かった。

 大谷には起用意図が説明されていた。「特別、(2番を)意識する必要がないと言われた」。7回には中堅フェンス直撃の二塁打。「もうちょっと飛距離を出せていた。今日の風もそうですし、ちゃんとスイングしたほうが良かった」。二塁塁上で首をひねったのは、いつも通りの姿だった。

 栗山監督は「(2番大谷は)開幕の時にもやろうと思ったんだけど出来なかった」と明かした。5安打1得点に抑えられ敗戦も、今後へ向けて「単純に、もっといい、もっと違う形の野球があるはずだと。まだ違うんだよ。違うと思う、何か。それは探し求める」。監督に就任した12年は開幕戦を「2番稲葉」で船出したが、継続できなかった。今度は「2番大谷」を起点に、理想を追求する。【木下大輔】