驚異的な粘りがチームに勝利を呼び込んだ。楽天岡島豪郎外野手(27)は、6日のソフトバンク戦に「8番・左翼」で出場。先頭で迎えた3回、先発バンデンハークに13球投げさせ三塁内野安打と、ペゲーロの先制3号2ランを陰ながらアシストした。5回の第2打席でも15球投げさせ四球を選び、5回で100球に達したバンデンハークは降板。投球数の1/4にあたる計28球も投げさせ、梨田監督から「大きなポイントだった」と絶賛された。楽天は5勝1敗と開幕ダッシュに成功だ。

 臆することなく、果敢にバットを振った。0-0の3回、先頭の岡島はバンデンハークに2球で追い込まれながらも、そこから粘りに粘った。「積極的に打ちにいって、追い込まれたら塁に出ることを考えていた」。ファウル、ボール、ファウル、ボール。カウント2-2になってから6球、ひたすら相手の球をカットし、13球目に三塁内野安打で出塁した。

 この一打で潮目が変わった。梨田監督は「相手は『早く打て』とイライラしていたね」と分析。続く嶋の併殺で2死となったが、茂木の四球後にペゲーロの先制2ランが飛び出した。同監督は「本当に大きなポイントだった。あれがチームプレー」と、岡島の献身的な打席を評価した。相対した2打席でバンデンハークに投げさせた球数の合計は28。投球数の4分の1以上の球数を投げさせた。

 結果は出したが納得はしていない。「あの場面で塁に出る、出ないとでは違うが、甘い球もあったなかで前に飛ばせなかったのは技術不足」と反省を口にした。昨季は、開幕から1番打者として一時首位打者になるなど好調を維持していたが、後半戦から調子を落とし、最終打率は2割5分2厘に終わった。「今年は外野のレギュラー争いは激しい。打順は何番でもいいから、とにかく試合に出たい」。悲壮感があるからこそ、現状に満足はしない。

 今季のスタメン出場は、この日で2試合目。定位置を確保したわけではないが「積極的に打つ姿勢は変わらない」と言う。己を貫き、再び輝きを取り戻してみせる。【田口元義】