立ちこめたモヤの中で、ボールがグラブにおさまるのが見えた。2点を追う7回2死一、二塁。日本ハム中田翔内野手(27)の角度のついた打球は、定位置の左翼手まで届くのがやっとだった。「見た通り。(バットの)先っぽや」。追い上げの機運は一気に萎んだ。3連敗。13年のシーズン最終成績以来、1279日ぶりに、単独最下位に転落した。

 攻略の糸口はあった。6回は大谷の四球から、中田が左前打でつなぎ3連打。2点差に詰め寄った。だが続く7回、同じく四球を絡めてつくった好機に凡退。WBCの激闘からチームに復帰し、ここまで打率2割8厘、本塁打はゼロ。昨季の打点王も、いまだ1打点と苦しんでいる。「143試合すべてでこっちの流れでいくのは無理。辛抱するしかない」。悔しさをかみ殺し、自分に言い聞かせるようにバスへ乗り込んだ。

 2回に奪われた先制点もレアードの適時失策で、チーム失策数はリーグワーストの8。昨季王者も、狂ったリズムを取り戻せずにいる。栗山監督は「普通にできるような形が出ていないけど、今は我慢してやり続け、いい方向に持っていくしかない」と前を向いた。

 復調の起爆剤となるべく、ベンチの空気を変える男も戻る。故障者続出の野手の中で、左脇腹を痛めていた杉谷が、この日の練習から合流。今日8日に1軍登録される見込み。さっそくチームメートの前で披露した仕込みネタは“すべった”が、栗山監督は冗談交じりに「(自身が)へこみがちだったから呼んだ。拳士の顔見たら、少し元気になったよ」。まだ開幕3カード目。反撃態勢は徐々に整いつつある。【本間翼】