阪神糸井嘉男外野手(35)が、甲子園でマルチ安打デビューを飾った。今季初の巨人戦、本拠地開幕試合でチャンスメークの2安打。開幕7試合連続打点はならなかったが、虎ファンに勇姿をお披露目した。中堅守備では初回に飛球を譲り合うようなプレーもあり、チームも3連勝ならず。今日こそスカッとG倒勝利、お願いします!
雨中の甲子園が大声援に包まれた。4点を追う4回。先頭の糸井が巨人マイコラスの外角147キロを振り抜いた。打球は三遊間を抜けて、左翼へ到達。大きなストライドで一塁を走り抜けた。虎の糸井が記念すべき本拠地初安打。ほぼ阪神ファンで埋まった4万6214人のスタンドがどっと沸く。背番号7に惜しみない拍手が降り注いだ。
これだけで終わらない。6回には無死一塁の場面で初球の内角球をうまく右前に運んでマルチ安打をマークした。マイコラスの暴投で3点目のホームを踏んだ。開幕から続いた連続打点は「6」でストップしたが快音は止まる気配がない。これで7試合で24打数10安打、打率4割1分7厘と期待どおりの活躍だ。
自然体だった。キャンプ前に右膝関節炎を患った影響もあり、ホーム甲子園で行われたオープン戦の出場はゼロ。もちろん、甲子園でナイター練習もしていない。ぶっつけ本番の聖地デビューだった。しかも、この日は午前中から雨が降り、グラウンドは滑りやすい状況。並の人間ならナーバスになりそうなところだが、糸井は違う。試合前に報道陣から「お疲れさまです」と声を掛けられると、「まだ疲れてないよ」とニヤリ。「頑張ります!」と話して試合に向かった。
試合後は「アイシングがあるので…」とポツリ。糸井はそのひと言を言い残してロッカー室に向かった。初回にはマギーの左中間の飛球を左翼高山と譲る形で先制点を許した。本拠地デビューを勝利で飾れなかった悔しさがにじんだ。少年時代に父親に手を引かれてプロ野球を初めて生観戦したのは甲子園だった。悔しさは残ったが、憧れた聖地で誇れる2安打デビューだった。【桝井聡】



