昨年王者の日本ハムが緊急事態に陥った。9日、オリックス3回戦(京セラドーム大阪)で中田翔内野手(27)が右足付け根の痛みで、ブランドン・レアード内野手(29)が左腕への死球で途中交代した。前日8日には大谷翔平投手(22)が左太もも裏の肉離れを発症。戦列復帰まで約6週間かかる見通しで、この日に1軍登録を抹消された。中田も今日10日に精密検査を受ける予定で、最悪の場合「飛車角抜き」での戦いを強いられる。主軸を欠いたチームは5連敗で、借金は5に膨らんだ。

 中田が5回の守備からベンチに退いた。右足付け根の痛みで、前日8日の最終打席で痛めたという。この日は強行出場したが、第1打席はボテボテの遊ゴロ。第2打席は力のない二飛に倒れた。本来の力強い振りではなかった。中田は「初めてフルスイングをするのが怖いと思った」と言う。トレーナーからストップがかかった。

 中田は今日10日に精密検査を受ける予定で、11日の出場について福島チーフトレーナーは「今日の感じを見ると何とも言えない」と語った。さらに悪夢は続く。5回にはレアードが左腕に死球を受けて途中交代した。前日8日には大谷が左太もも裏の肉離れを起こし、この日に登録を抹消された。大谷、中田、レアード。打線の軸を欠いて厳しい戦いを強いられた。オリックス西の前に完封負けを喫し、連敗は5に伸びた。

 大谷は、今後は2軍施設の千葉・鎌ケ谷でリハビリ生活に入る。ランニングを再開できるまで2週間を要する見込みで、福島トレーナーは「野球の動きができるようになるのが4週間くらい。試合に復帰できるまでは、そこからさらに2週間くらいかかるかもしれない」と、復帰への見通しを語った。打者復帰は早くとも5月末になりそうだ。

 投手復帰はさらに遅れる。昨秋に右足首を痛めてから慎重に復帰への道を歩んでいた。7日の試合前には全力に近い投球練習を行うなど、二刀流復帰のメドが立ってきたところだった。栗山監督は「それ(ケガ)だけはと思って5年間やってきた。責任を感じています。本人が一番つらい。すべてはオレの責任」と、沈痛の面持ちだった。

 チームを支える大黒柱に立て続けに起こったアクシデントが響き、チームは14年4月以来3年ぶりの借金5になった。同監督は「何とかするしかないので」。ただ、まだ開幕9試合。連覇に向け、チームを立て直すしかない。【本間翼】