6年ぶりに古巣ソフトバンクに復帰し、2軍で調整を続けている川崎宗則内野手(35)が16日、1軍昇格に向け、悩める胸中を激白した。12日からウエスタン・リーグに4日連続出場し、疲労もあったため、この日は同リーグ広島戦(呉)を欠場。体力面や日本の投手への慣れの部分でまだ課題があるという。苦しむ1軍の救世主として期待されるが、昇格は最短でも25日の日本ハム戦(北九州)以降となりそう。状態次第では、5月以降に先延ばしとなる可能性も出てきた。

 2軍の大阪、広島遠征を終え、博多駅に到着した川崎が、もどかしい胸の内を明かした。ここまで6試合に出場し、17打数9安打、打率5割2分9厘、1本塁打、7打点。結果は残している。だが、まだ納得のいく状態まで仕上がっておらず、1軍昇格の見通しが立たない現実を嘆いた。

 「明日にでも上がりたい気持ちだが、まだ状態が上がっていない。もうちょっとかかりそう。今、体調が悪いので、まずは体調を治さないと。(出場を)フルイニングできる感じじゃないからね。明後日からまた筑後で(中日、阪神と)6試合あるから、そこで(出場して)どういう状態か。(今週中の1軍昇格は)無理だと思います」

 川崎が最も問題視しているのは、天然芝よりも足に負担のかかる人工芝でのプレーに慣れ、体力的にも問題なく連戦をこなしていくこと。先週は12日から4日連続で広島、阪神との2軍戦に先発出場したが、まだフル出場には至らず。鳴尾浜、由宇はともに土のグラウンドだが、それでも連戦で疲労がたまっており、この日は試合を欠場した。守備では二塁、遊撃、三塁、左翼と4ポジションをこなしてきたが「体力ですね。人工芝のこと」と話し、まだ日本の球場に適応できていない現実を明かした。

 体力面での問題をクリアした後は、日本の投手への対応力を上げていく作業が待っているという。「体調を治すことが一番で、その次にピッチャー。まだ(打撃の)間が見つからないが、一緒にはできない。ケガしちゃいけないんで」と、はやる気持ちを抑えた。

 工藤監督は「コーチの推薦があればだけど、本人に任せている」と話しており、調整は川崎に一任しているが、まだ見通しが立たないのが現状。1軍は開幕から14試合を終え、6勝8敗の4位。現在4連敗中と波に乗れていない。複数のポジションをこなすことができ、明るいキャラクターでチームを盛り上げる川崎の1日も早い昇格が、待たれるところだ。【福岡吉央】

<川崎、ソフトバンク復帰以降の2軍戦歩み>

 ◆入団会見 大リーグのカブスを退団した川崎は4月1日、ヤフオクドーム内で6年ぶりのソフトバンク復帰入団会見に臨んだ。「おやじになったが、体はきれっきれです」。年俸9000万円プラス出来高の1年契約。

 ◆復帰戦 4月4日のウエスタン・リーグのオリックス戦に1番遊撃で先発出場。初回にいきなり右前安打を放った。ただ「今の打ち方じゃ合わない」と危機感を募らせていた。

 ◆復帰1号 4月12日の同リーグ阪神戦の第3打席に右越えの1号アーチ。それでも「対応が大変。(打ち方が日本にいたころに)直らないかもしれないけど」。

 ◆初外野出場 4月14日の同リーグ広島戦で1番左翼として先発出場。それまで遊撃、二塁、三塁を守っていたが、初の外野出場。

 ◆初黒星 ソフトバンク2軍は川崎が出場前までは2勝8敗だったが、初出場した4月4日から5連勝。15日の同リーグ広島戦で、川崎が出場したゲームでは初めて敗れた。