年齢と風貌から「おじいちゃん」の愛称を持つ39歳のバルデスが、中日の不名誉な記録を止めた。8回4安打無失点の好投で今季初勝利。チーム開幕20戦目で今季初めて先発投手が勝利投手になった。中4日での登板だが「疲れはない。全然いける感覚だった。勝ててなかったけど、いい投球ができていた。何とかこのままいけば、勝ちがつくと思っていた」。前回登板まで4試合で防御率1・71と安定しながら勝ちがついていなかったバルデスにも待望の瞬間だった。

 最大のピンチは8回。暴投や死球などで2死一、三塁。だが、石川をサード亀沢のダイビング捕球もあり三ゴロに仕留めると、マウンドでグッと拳を握りしめた。初回に挙げた1得点を守り、田島にバトンを渡した。チームメートが親しみを込めて呼ぶ愛称とは背反する鉄腕ぶりを発揮し、白星をつかんだ。森監督も「中4日が本人は一番いいと言っているからな。2人分投げてくれている」と働きっぷりをねぎらっていた。