恐怖の1、2番コンビ「モギー&ペギー」で楽天が首位をキープした。楽天茂木栄五郎内野手(23)が、4回無死走者なしから右中間へ二塁打を放つと、2番ペゲーロの適時二塁打で、先制のホームを踏んだ。緊急登板の戸村を救う2人の連係プレーで、今季5カード目の勝ち越しを達成。貯金も9に伸ばし単独首位を守った。

 茂木に恐れはなかった。0-0の4回先頭。内角高め144キロの直球を右中間へはじき返した。第1打席で死球を受けていたが、ひるまず向かっていった。「チャンスメークできてよかった」と、二塁塁上で胸をなで下ろすと、続くペゲーロの右越え二塁打で先制のホームを踏んだ。

 「モギー&ペギー」が首位快走の原動力となっている。茂木は「ペゲーロが効いているんじゃないですか」と控えめに分析した。だが、梨田監督から「外国人みたいなもの。モギーだね」と称さるリードオフマンは、この日で開幕から17戦連続出塁を果たした。マルチ安打も決め、リーグトップの18得点。ペゲーロはリーグトップの7本塁打に加え、19打点でソフトバンク内川に並びトップで“打撃2冠”。破壊力満点の左打者が1、2番を形成している。

 相乗効果も生んでいる。この回先制点を奪い、なおも無死一、二塁から4番アマダーが一撃をかました。試合前まで打率1割台と低迷していた助っ人が、ここ一番で左前打を放ち、貴重な追加点をたたき出した。8回にはフェンス直撃の中越え二塁打も放ち、ようやく打率を2割に乗せた。

 梨田監督は試合前、打線について「流れ的には悪くはないが、1年間いつまでも続くなんてありえない」と話していた。打線は水物だからこそ「チームがちょっとずつ良くなっていく」と、決勝打を放った主砲に復調の兆しが見えたことを喜んだ。

 茂木は言う。「チームの調子の良さに自分もしっかりと乗れている」。首位を独走の勢いは止まりそうにない。【秋吉裕介】