キャプテン頼りになります! 阪神福留孝介外野手(39)が3試合連続初回タイムリーの離れ業で巨人戦の勝ち越しと2位再浮上を導いた。内海から右前に運ぶ先制の決勝打で、21日の3ラン、22日の適時打に続き、初回の勝負強さを発揮した。首位広島とは1・5差のままだが、明日25日からの甲子園6連戦(対DeNA、中日)に弾みのG倒勝利。金本阪神が大混戦の主役に躍り出る勢いだ。

 また、また打った。虎の4番福留が3試合連続で先制点をたたき出した。初回、2死三塁。巨人内海が投じた外角の138キロカットボールを振り抜いた。低い弾道の打球は二塁手中井のグラブ上を通過。右翼の芝生に勢いよくはずんだ。

 「若い投手(横山)が先発だったし、先に点を取れるところで取っておきたかった。みんながつないで、つないで回してもらった打席。打てて良かった」

 3回1死満塁の場面では直球を捉え、右中間への強烈なライナーをお見舞い。相手の好捕に阻まれたが、中犠飛で中押しの2点目を運んだ。21日に鮮烈な2号3ラン、22日にも速攻の右前適時打と3戦連続で初回に先制の一撃を食らわせた。39歳の主将が巨人3連戦で6打点と大暴れ。「1人G倒」状態の主砲に金本監督も「頼もしいですね。打つ方では、孝介1人に助けてもらった」と最敬礼だ。

 ユニホームを着た福留が漫然と過ごすことはない。バット1つを取っても分かる。試合で使用するバットは長さ34インチ(約86・4センチ)、重さ910グラム~920グラム。22日の試合前の練習では試合よりも2センチ以上短い84センチの黒バットでティー打撃を実施した。体調に合わせて相棒を変えながら、試合の打席をイメージしている。

 中日時代の経験がある。02年、打率3割4分3厘で初の首位打者を獲得した年のオフ。「来年ホームランをもっと打ちたいと」と、34インチから34・5インチにバットを長くすることを計画した。結局、投手と自身の状態によって長さを変える方法で、03年は打率3割台をキープ。本塁打は前年の19本から34本と激増させた。

 工夫する。考える。それは今月26日に40歳の誕生日を迎えるベテランになっても変わらない。福留は「(走者を)かえせてよかった。こういう打順で打たせてもらっているんだから」と言い残して帰りの車に乗り込んだ。巨人と並び再び2位に浮上。明日25日からは本拠地甲子園でDeNA、中日と6連戦に臨む。さあ、奪首ウイークだ! 虎には頼れる男がいる。不惑の4番がいる。【桝井聡】

 ▼福留は今季1回には14度打席に立ち、10打数5安打で打率5割。7回(4打数2安打)と並び、イニング別最高となっている。また、1回のチーム打率も3割5分1厘(77打数27安打)で、延長回を除けば最高イニングだ。