阪神が今季初の完封負けを喫した。DeNA先発のドラフト1位浜口遥大投手(22)の前に6回までノーヒット。ようやく7、8回に作った好機をものにできず、今季ワーストの3安打で敗れた。今季初めて不調の原口文仁捕手(25)をスタメンから外したが、代役の中谷将大外野手(24)が4打席4三振。金本知憲監督(49)の苦心のオーダーは不発に終わった。巨人と2位で並んでいたチームは3位に後退した。

 下降線をたどっていた打線がついに歩みを止めた。開幕20試合目で初の完封負け。DeNAのルーキー浜口に6回までノーヒットに抑えられ、3安打は今季最少。金本監督の表情はさすがに険しかった。「浜口が良かったし、そう簡単には点を取れないだろうとは思ったけど…」。直球に球威があり、チェンジアップも効果的に決まっていた。初対戦で攻略は難しい左腕ではあったが、すんなり結果を受け入れるわけにはいかない。

 G倒の立役者がブレーキになった。この日は打撃不振の原口に代え、中谷を「5番一塁」で起用した。23日の巨人戦では1番に起用し、2安打2得点で打線に勢いをつけた。金本監督は主軸を託したが、思わぬ落とし穴が初回に待っていた。筒香の痛烈な打球を捕れずに、後ろにそらした。記録はヒットだが、これが尾を引いた。浜口に対し、3打席連続で3球三振。9回も見逃し三振に終わった。「自分のミスです。守備はちゃんとやらなきゃいけない。全部やっていきます」と猛省した。

 金本監督は中谷にあえて厳しい言葉を放った。「初回のミス、記録はヒットだけど、あれを後悔して、引きずっているような4打数4三振かな。そこの殻を破っていかないと」。ミスをしても、引きずるな-。若手には特に言い続けている。中谷にも肩を落としてほしくなかった。「引きずるようなら、いい意味で取り返すんだと。悔しさを引きずらない。マイナスに引きずっているように見えた。彼もいい勉強にしないと。同じようなことがあれば、もっとたくましさを見せてくれないと」。

 中谷だけではない。巨人戦では3戦連続で打点を挙げた福留も3打数ノーヒット。8回のチャンスには二ゴロで凡退。主軸2人の沈黙は痛かった。これまでは接戦をしのいできたが、打線の不発で3位に後退。打者にも波がある。これが底と思って、浮上を願うしかない。【田口真一郎】