よう投げた! 阪神秋山拓巳投手(26)の自身最多11三振を奪う力投は報われなかった。1回に2安打などで先制を許したが、7回まで毎回三振を奪うなど奮闘。追加点を与えず、7回2/3を1失点に抑えた。それでも打線の援護に恵まれず、今季初黒星。きょう26日は26歳の誕生日だったが、2勝目で祝うことはできなかった。

 限りなく白星に近い内容だった。打たせて取るピッチングが特徴の秋山が、この日は違った。真っすぐをコーナーに投げ分け、6回まで毎回奪三振。終わってみればこれまで7個だった自身の最多奪三振が、プロ入り初の2桁11個を記録した。

 「前回に比べて左バッターが多かったので、梅野も配球をガラッと変えてくれて気持ちよく投げられた。左バッターを抑えるパターンが増えました」。この日は左打者から6個の奪三振。同学年捕手・梅野との共同作業がばっちりはまった。

 前回対戦した12日DeNA戦の反省を生かした。7回の先頭打者から3連打を浴びて降板。中継ぎ陣に踏ん張ってもらい、今季初白星をゲットしていた。ただ、打たれた安打の半分以上が左打者によるもの。この点を修正するため、梅野と映像を見ながら分析。配球や打者の特徴を再確認した。この日は追い込んでから真っすぐをコースに投げ分けた。これが奏功し、2桁奪三振を生み出した。女房役の梅野は「今まで打ち取る投手だったのが、今日は今までになく三振をとった。自信になったと思うし、お互い自信を持ってやりたい」と確かな手応えもつかんだ。

 今後に向けた反省点も明確で、初回に先頭打者を許したこと。秋山は「立ち上がりだけかな。先頭のヒットはポテンだったけど。そこですね」。登板前日にも「先頭打者に出塁を許さないこと」をポイントに挙げただけに悔いが残った。今季初黒星を喫したものの、内容は合格点をもらえるもの。金本監督からは「完璧です」と高く評価された。あとは詰めの部分を埋めて、次戦の投球につなげる。【山川智之】