来日2年目の阪神ドリスに「守護神」の称号が似合うようになってきた。金本監督も「本当に安心して見ていられる。おそらくセ・リーグで一番、安定しているクローザーだと思う」と絶賛。3点リードの9回に仁王立ちだ。代打西森をフォークで空振り三振、山下も沈む球で空振り三振。桑原に安打を許しても石川をフォークでかすらせない。3者から空振り三振を奪い、格の違いを見せつけた。

 9試合連続セーブ中で、球団記録に並ぶ月間10セーブ。「知らなかったよ」と頭をかきながら胸を張る。防御率も0・73。「ブルペンから全部の球がいい感じでマウンドでも思った通りに投げられている。2年目で打者も頭に入っている」。150キロ超の速球、落差の激しいフォーク、鋭く沈むツーシームも駆使する。

 阪神ではセーブ王に輝いた藤川、呉昇桓に並ぶ。4月は残り3戦。2人を超え、外国人最多の16年5月サファテ(ソフトバンク)の12セーブの更新にも期待がかかるが「全力で投げるだけ。意識せず挑む」と自然体。金本監督がほれて昨年加わった剛腕だ。右肘を手術し、精神面のもろさも指摘されてきたが、投げるたびに不安材料が消える。クローザーが定まれば、勢いは加速する。【酒井俊作】

 ▼ドリスが両リーグ最多の10セーブ目。セーブはすべて4月に記録したが、阪神投手の月間10セーブは藤川(07年7月、11年8月)呉昇桓(14年7月)と並ぶ球団タイ記録。

 ▼ドリスの奪三振率は12・41。甲子園に限れば22・50と圧倒的で、4イニングで打者16人から10奪三振。