DeNA筒香嘉智外野手(25)が今季1号の勢いに乗り、弾丸ライナーでの2点適時打を放った。4点リードで迎えた8回。2死一、二塁で振り抜いた打球は、センター方向へグングン伸びていった。飛びつく広島丸の手の上を通り過ぎて二塁打。ベース上で手をたたき、喜びをあらわにした。「自分が打った打たないよりも、チームが勝つことが一番なので」と、前夜の1号よりも言葉を弾ませた。

 前日27日阪神戦では、甲子園でバックスクリーンへのライナー弾で今季92打席目にして、ようやく本塁打が出た。復活を告げる1発にも、辛抱強く見守ってきたラミレス監督の視点は少し違った。「本塁打の後の打席で、初球ストライクを振りにいった。ファウルになったが、アレが一番の打撃。あれこそが筒香の姿。『ファーストストライクを打ってやる』という気持ちでバットを振れていた」と、主砲の変化を読み取っていた。

 実際に翌日のこの試合で、ファーストストライクの球を振り抜き、同じような軌道の打球を放った。指揮官は「35本から40本打つ。シーズン終了後、4月に打たなかったことをみんな忘れているよ」と真剣な表情で予言。打って負けるよりも、チームが勝つことが最優先の主砲は「ちょっとずつ良くなっている。勝ちゲームをつくれてよかった」。淡々と話す中に、本拠地第1号を予感させた。【栗田成芳】