上昇気流をつかみかけている竜に暗雲がたれ込めた。中日アレックス・ゲレーロ内野手(30)が3回の守備からベンチに下がった。2回1死一、二塁で二ゴロ併殺。その打席で自打球を左脚に当てていた。部位や状況は関係者から明かされなかったが、今日29日に出場選手登録を抹消される可能性も出てきた。

 森監督は「脚か」の質問に「頭じゃない?」とケムに巻いた。土井打撃コーチは「やっと調子が上がってきたのにな」と心配した。ゲレーロは試合中に球場を離れた。主のいない用具一式がベンチ裏からバスに運び出されたことから、一夜明けの状況次第では離脱が想定されている。

 開幕から主軸を務めた期待の新大砲だが、不振が長引き、2試合の先発落ちを経験。打順降格の「7番」で復帰して7試合目だった。特打を行うなど少しずつ状態を上げ、前カードのヤクルト3連戦では決勝2号3ランや先制2点打を放つなど機能していた。成績は打率2割2分、2本塁打、10打点。

 昨年はチーム本塁打がリーグ最少89本。ビシエド、ゲレーロのツイン砲に機動力を絡めた攻撃が今年のスタイル。だが、この日はメッセンジャーに封じられて2度目の完封負け。初回2死一塁、4番平田の場面で大島が初球に盗塁死。4回は無死一塁で工藤が盗塁死、その後に平田の三塁打が出るなど、ちぐはぐな攻めが目立った。やっと歯車のかみ合い始めた中日だったが、今年最初の甲子園でマイナス要素が噴出した。【柏原誠】