オリックスが近鉄の「いてまえ魂」で、南海ことソフトバンクにリベンジした。両軍が復刻ユニホームを着用する「KANSAI CLASSIC(関西クラシック)」の第2戦。最終回は3点を奪われ詰め寄られたが、打線が9安打6得点で打ち勝った。初戦は4安打と沈黙したが、かつて日生球場、藤井寺球場を沸かせた豪快な「いてまえ打線」がよみがえった。連敗を阻止して、首位楽天に1差に迫った。

 オリックスが、ソフトバンク摂津を序盤で「いてもうた」。1、2、3回にそれぞれ1、2、3点のトリプルパンチ。今の打線は近鉄のような派手さはなく「つなぎ」が基本。それでも大技、小技を交えて6失点KOに追い込んだ。

 「各自やることが分かってきた。1回に(小谷野)栄一が(先制の)二ゴロを打ったりね。大城は(攻守)両方でいい働き。モレルもいいところで打ってくれたね」。阪急入団の福良監督は前日28日の今イベント初戦、抵抗感からかユニホームをジャンパーで隠した。この日はユニホーム姿でタクト。白星に導いた。

 近鉄背番号4の大石大二郎…ではなく、2年目助っ人モレルの一打が効いた。3回1死満塁からカーブをためて中堅フェンス直撃の3点二塁打。リードを5点目に広げ、結果的に9回の追い上げをかわすことができた。開幕2軍もロメロ離脱で昇格。「日本投手のスピードの変化に対応できるように取り組んできた」という成果を今季初長打で示した。お立ち台で「最高のヒットが打てたよ」と話してファンを喜ばせた。

 練習の虫だが「日本文化が好き」という米国人は、休日に観光地巡りでリフレッシュ。奈良・東大寺で大仏も見学し「大きかった。(鼻と同じ大きさの)柱は通れなかったけどね」。今年は「オニ」や「ホトケ」とも称される福良監督に大仏パワーを注入した。

 2週間ぶりスタメンの2年目大城は2安打1打点。二塁守備でも2回に川崎の適時打を阻むなど好守を連発した。「周りから近鉄顔と言われる」とかつて話した小谷野も好調キープの2安打だ。福良監督は「明日も取って勝ち越したい」と“打倒南海”に気合十分。開幕3連戦3連敗を喫した首位楽天に1差と、背中が見えてきた。【大池和幸】