西武中村剛也(33)が2本塁打と、大敗したチームにあって気を吐いた。1回にソフトバンク先発千賀から左越え先制2ラン。11点差をつけられた9回無死の場面でも、左翼スタンド上段に大きな1発を放った。

 「特に2本目は雑にならず、いい打ち方ができた。点差がついても、明日も試合はあるし、何より今日も球場に来てくれているファンがいる。一生懸命応援してくれてましたから」。

 辻監督も「おかわりは気持ちが入っていた」とうなずいた。9回は左翼スタンドのファンが、意気消沈しそうになる選手たちを鼓舞するように、イニングの頭からチャンステーマで声援していた。大差がついても、懸命に応援してくれるファンへの恩返しのように、主砲が完璧な1発を左翼席に届けた。