獅子の本拠地は楽天の打撃練習場と化した。1回にペゲーロから5長短打で5点。島内、聖沢、岡島と左バッターが絡んだ。手を緩めず猛打賞が5人。それでも試合後の梨田監督は静かにつぶやいた。「6点目がなかなか取れなかった。1死三塁、ゲッツーもあった。できる限り、1点でも多く取らないと」。4、6、7回に無死の走者をバントで進めるという現実路線で、愚直に中押しとダメ押しを追い求めていた。

 打線的中にも「いいかなと思って。そんなに大きな答えを持っていないし」と素っ気なかった。思えば外国人を並べたのも、岸の開幕離脱で打って出ようとしたから。1点、1勝を追い求めて振り返れば貯金12。温厚の仮面をかぶったリアリストが前だけを見ている。だから選手が踊る。【宮下敬至】

 ▼楽天が20安打で快勝。楽天の20安打以上は、16年9月18日西武戦以来で10度目。この日はペゲーロ、島内、ウィーラー、聖沢、足立の5人が猛打賞。1試合に3安打以上が5人は、14年4月12日ロッテ戦(岡島、藤田、銀次、西田、嶋)に次いで2度目。パ・リーグ記録の6人には惜しくも届かなかったが、球団の最多記録に並んだ。