23歳の誕生日を迎えた日本ハムのドラフト2位ルーキー石井一成内野手が、チームの緊急事態を救った。6日のオリックス7回戦(京セラドーム大阪)で1点リードの8回にバースデータイムリーを放ち、貴重な追加点を挙げた。前日5日オリックス戦で左かかとを負傷した中島に代わってプロ入り後初めて本職の遊撃で先発。2安打1打点2得点で穴を埋め、5月負けなしの今季初5連勝に貢献した。

 代役を任された石井一が主役だった。この日は23歳の誕生日。「人生で初めて」というバースデー試合は心が温まった。3回に最初の打席に入るとスタンドから「ハッピーバースデー」のメロディーが響いた。敵チームのファンからも拍手が送られ、相手先発コークも演奏が終わるのを待って投球した。石井一は「本当にうれしかった。ファンに支えられているとあらためて感じた」と感謝の思いがあふれた。

 声援を力に変え、勝負強さを発揮したのは第4打席。リードわずか1点の緊迫した展開が続いたが、ぶち破った。8回1死二塁。右中間への適時三塁打で点差を2点に広げた。さらに暴投で本塁を陥れて5点目。5連勝への流れをグッと引き寄せた。

 「9番遊撃」で先発。これまで二塁で17試合に先発してきたが、プロ入り初の本職の守備位置での先発は、チームの緊急事態によって訪れた。正遊撃手の中島がケガで離脱。「昨日(中島が)厳しいと聞いて準備していた。緊張した」。栗山監督は「自分のポジションを取るというのはこういうこと。よく頑張ったよね」と、持ち味の守備力に打撃でも期待に応えた新人をたたえた。