大谷は、早ければ今季終了後にもメジャー移籍の可能性がある。ポスティング制度の改正協議が始まることが決定したばかり。譲渡金などが変更する可能性があるが、希望する改定点について同GMは「簡単に言えば、レンジャーズが選手を取りやすいシステムかな」と、アメリカンジョークで笑い飛ばした。「日本のレベルは高い。きっちり、1人1人見ていきたい」と、大谷の名は挙げずとも、強い興味は隠さなかった。

 同GMが日本に来るのは6年ぶりだ。前回は11年6月に来日し、日本ハムに在籍していたダルビッシュの1軍公式戦登板を視察した。自身の目で直接見て、その年のオフにダルビッシュをポスティング制度を利用して獲得した。今回は実戦復帰のメドも立たない中、リハビリに取り組む姿を、2軍施設まで赴いてチェックした。異例ともいえる行動は、大谷獲得への誠意とも受け取れる。

 大谷はレ軍の視察についての感想を問われると「特にないです」。患部の回復具合には「感じは良くなっています」と、いつも通りにリハビリメニューを消化した。「電撃視察」を終えた同GMは、言った。「(日本ハムは)とてもリスペクトしている球団。特に、世界でも知られる二刀流の選手も育成し、ここまでの選手になってきている」。コメントも行動も慎重。だが、鎌ケ谷訪問こそ、大胆なアピールだ。【木下大輔】