オリックスが連敗を6で止め、ドラフト2位ルーキー黒木がプロ初勝利を挙げた。2-2の8回を最速153キロの直球などで3者凡退。その裏の大城の決勝犠飛を呼び込み、オール中継ぎの15試合目で白星が転がってきた。だがいつものように、謙遜しっぱなしだ。

 「素直にうれしい。自分は勝ちはおまけみたいなもの。今日は負けられない試合。みんなで勝てて良かった」。13試合連続無失点で防御率は0・60。すっかり8回の男に定着した。

 趣味の釣り同様に、狙った獲物は逃さない。開幕1軍を争っていた3月のオープン戦終盤、立正大の卒業式に出席しなかった。「1軍で投げられるチャンスだし、チームを離れてリズムが崩れるのが嫌だった」。プロの“仕事”を優先して1軍枠を勝ち取った。

 「黒木と言えば54」。元ロッテの熱い男、黒木知宏氏(日本ハム投手コーチ)と同じ背番号を選んだ。4月の日本ハム初戦には福良監督の配慮で初対面。「『同じ背番号をつけてくれてうれしい』と言ってもらえた。晴れて後継者に指名されました」と喜んだ。黒木氏の気迫あふれるスタイルが手本だ。

 好投しても課題を突き詰める。「いい時ほど満足しない」のが黒木流だ。「ボールは母親にあげます。これからもこのポジションを任されるように頑張りたい」。最後まで浮つく様子はなかった。【大池和幸】

 ◆黒木優太(くろき・ゆうた)1994年(平6)8月16日、横浜市生まれ。小2で野球を始め、橘学苑-立正大を経て16年ドラフト2位でオリックス入り。179センチ、78キロ。趣味は海釣り。右投げ左打ち。