Aクラス再浮上に向け、巨人が残り10試合での打線改造に着手した。前日19日に中日に2連敗で4位に転落。もう敗北は許されない2位阪神との伝統の一戦で、1番に坂本勇を約3カ月ぶりに起用した。2番には今季初の陽岱鋼、3番にはマギーが構えた。7月29日から不動だった陽、マギー、坂本勇の1~3番トリオを完全に解体。高橋由伸監督(42)は「少し点が取れない試合が続いていたので、流れを変えてみようと思って」と腹を決めた。

 新打線がいきなり風穴をあけた。1回2死、マギーが阪神秋山の抜けたフォークをひっぱたいた。舞い上がった打球は左翼席に飛び込み、待望の17号先制ソロ。「強くたたくことを意識した。打順は関係ない。報道陣の皆さんがペンを変えても書くことは変わらないでしょ。それと一緒だよ」と紅潮したほおを緩めた。

 打線改革の狙いは他にもあった。この試合前までの秋山との今季対戦成績は3試合で1勝1敗も、チーム打率は2割8厘。そんな中、マギーは9打数4安打1本塁打だった。好相性の助っ人を中軸に据えて得点力アップを図り、初回に先制パンチに成功。CSで再対決の可能性もある右腕に土をつけた意味は大きい。

 坂本勇もトップバッターで思い切りのいいスイングを見せ、4打席目に12打席ぶり安打をマーク。指揮官は「彼1人のためじゃないけどチームもなかなか点が入らないので(打順を)変えてみようと。今日は1本出たのでね」と兆しを見いだした。残り9試合。なりふり構わず、CS切符をつかみにいく。【浜本卓也】