1979年(昭54)8月1日の広島-巨人戦の7回、巨人西本聖氏が衣笠祥雄氏の左肩に死球をぶつけ、衣笠氏は骨折。しかし衣笠は翌日の試合に代打出場し、巨人江川卓氏に対しすべてフルスイングで空振り三振した。

 元巨人江川卓氏 あのときの対戦は、よく覚えています。代打で出てこられた。死球による骨折でバットを満足に振れない状態だったのでしょうけど、とにかく自分の一番速いボールで勝負するのが「敬意」だと思い、変化球でかわしたり小細工しようとは考えず、力いっぱいの速球を、真ん中に投げ込んだ覚えがあります。正直言うと投げづらさはありましたが、けがを顧みず、打席に立たれた姿勢に失礼がないように、という感覚でした。現役時代は、外角直球をよく打たれましたね。衣笠さんとは今年2月に、巨人の宮崎キャンプの取材でお会いし、お話もさせていただきました。それにしても、早すぎます…。