22日のオリックス-ソフトバンク10回戦(ほっともっと神戸)で試合後に審判団が誤審を認める異例の出来事が起きた。3-3の延長10回2死一塁、ソフトバンク中村晃の放った右翼ポール際の打球はいったんはファウルと判定され、工藤監督のリクエストによるリプレー検証で本塁打となった。だが、試合後にオリックス福良監督が審判団に詰め寄り、約20分かけて映像を見直した結果、審判団はファウルだったと認めた。

 3-3の延長10回2死一塁、ソフトバンク中村晃の一打が右翼ポール際に飛んだ。判定はファウルだったが、工藤監督のリクエストによるリプレー検証で覆り2ランとなった。これが決勝点になり、オリックスは3-5で敗れた。

 だが、納得できないオリックス福良監督は試合直後からベンチ裏通路で審判団に詰め寄った。「誰が見てもファウル。しっかり見てくれよ!」などと鬼の形相。だが、審判団は映像を見て確認したと強調。約20分間、緊迫したやりとりは続いたが、状況は変わらず、憤まんやるかたない表情の福良監督は「今日は(試合後の)会見はいいやろ!」と言い、引き揚げた。長村球団本部長は「リクエストで間違えたら意味がない」と顔を真っ赤にして話した。

 その後、思わぬ展開が待っていた。球場の審判員室で、審判団に長村本部長や福良監督も加わって約20分間、リプレー検証の確認作業を行った。責任審判の佐々木昌信氏は「当初はポールに(打球が)隠れたように見えたので本塁打としたが、後で(コマ送りなどの映像を)見たところ、ポールの前に白いものが見えた」と説明。「判定が正確ではなかった」「(オリックス側に)伝えました。NPBにも報告しています」などと話した。

 ただ、試合は成立しており、記録の訂正は行われない見込み。連盟とやりとりした横田球団本部長補佐は「ジャッジに関しては提訴はできないが、リクエストで間違えられては納得できない」と話し、今後も連盟側と話し合うとした。オリックスにとってはなんともやりきれない一戦となった。