広島アレハンドロ・メヒア内野手(25)が切り札になる! 23日、ソフトバンクとの日本シリーズに向け、マツダスタジアムでシート打撃を実施。メヒアが2本塁打を含む3安打と自身初の日本シリーズ出場へ猛烈アピールした。ウエスタン・リーグで対戦していたタカ投手陣は攻略済み。34年ぶり日本一へ、アーチ量産を誓った。

雨を切り裂く打球が、バックスクリーン右に突き刺さった。シート打撃で、メヒアが中田の高め143キロ直球を強振。大きな打球音とともに鋭い弾道で、この日2本目のアーチを描いた。1本目は戸田の136キロをバックスクリーンにたたき込んだ。1軍合流のバティスタも1安打を記録するも、3打数3安打2本塁打とアピールは際立った。

「CSは良くなかったけど、日本シリーズではリラックスできればいい結果になると思う。(今日は)いい結果を意識した。日本シリーズでもこんな仕事がしたい」

CSでは2試合に先発出場し、7打数1安打。東出打撃コーチが「200%力み上げていた」と振り返るように、本人も「打ちたい、打ちたいとばかり考えていた。引っ張ろうとして良くなかった」と反省する。この日の2本塁打はいずれも中堅方向。持ち味の柔らかい打撃で快音を響かせた。

本来の感覚を取り戻し、舌も滑らかだ。ソフトバンク大砲デスパイネを意識し「勝負する。デスパイネよりも打つ」と宣言。2年前、エルドレッドが記録した日本シリーズ史上5人目の3試合連続本塁打にも「勝負したい」とニヤリ。好感触は確かな手応えとなっている。

ソフトバンクとは1軍での対戦はないが、今季ウエスタン・リーグで23試合対戦している。対戦成績は打率3割1分、8本塁打、26打点。CSファイナルステージで先発した東浜に2打数1安打、ミランダには満塁弾を見舞っている。また高橋礼からも1発、大竹からは2発。チームは交流戦で2年連続負け越している難敵だが、隠れた“タカキラー”だ。日本一への切り札となるべく、有言実行する。【前原淳】