巨人から西武に移籍した内海哲也投手(36)が26日、関東での自主トレを打ち上げた。20日に、巨人にFA移籍した炭谷銀仁朗捕手(31)の人的補償での移籍が発表。球界に衝撃が走った中、自主トレは3~4勤1休のペースで継続し、順調な調整をアピールした。衝撃の発表から6日、内海の耳にも多くの言葉やエールが届き、炭谷とも電話で会話。ともに新天地で活躍することを誓った。

いつものように、西武内海は個人トレーナーの保田貴史氏(36)の声に合わせ、ランニングメニューを消化した。トレードマークの赤色のグラブ、キャッチボールで使用したスパイクにはジャイアンツカラーのオレンジがデザインされていた。外見は何一つ変化はなかったが、心は「ライオンズの内海」に少し切り替わり始めた。

内海 年が替われば、新しいシーズンが始まる。もう、前に進んでいかないと。今は西武で頑張るんやという、強い気持ちです。

20日の人的補償での移籍発表後、100件以上の連絡が入った。さまざまな思いが交錯する中、炭谷とも電話で会話。ともに侍ジャパンでもプレーした仲で、明るく、おとこ気あふれる一面に触れた後輩の言葉に気持ちが奮い立った。

内海 銀ちゃんは「すみません」と言ってたけど、これはルール。銀ちゃんは何も悪くないんやから。決まった以上、お互いにグラウンドで頑張ることが一番なのかなと思います。

その熱い思いは、行動にも表れた。21日の会見後に行った施設見学では、西武第2球場のウエートルームなどを入念にチェック。自分に合ったトレーニング器具を確認し、早くも練習の流れをイメージした。巨人時代よりも球場への移動時間が長いことが予想され、快適に移動するために自家用車も乗り換えた。関係者を通じ、十亀、小石ら新たなチームメートにも連絡し、練習環境やスケジュールの情報収集にも励んだ。

内海 西武のユニホームを着た時に、似合ってるんちゃうかなと(笑い)。緊張するタイプなんで、初登板の日はバチバチで緊張すると思いますけど。

15年間プレーした巨人には「感謝の気持ちしかないです」と繰り返した。自主トレは地元に帰省後も継続する予定で大みそか、元日返上で体を仕上げる。「チームは変わっても、やることは同じ。いい状態でシーズンを迎えたいです」と決意を込めた。【久保賢吾】