完全復活へ太鼓判! 阪神藤浪晋太郎投手(24)が18日、兵庫・西宮市の鳴尾浜球場で今年3度目のブルペンに入り、見守った安藤優也2軍育成コーチ(41)が驚嘆の声を上げた。変化球を織り交ぜながらキレある53球に「20勝ぐらいするんじゃないですか」と大台まで“予言”。復活ロードの歩みは加速するばかりだ。

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藤浪が1球1球確かめるように、丁寧に投げ込んだ。直球にカーブ、スライダー、カットボールを織り交ぜながら53球。うち40球は捕手を座らせてのもの。心地よい捕球音がブルペンに響いた。そのキレのあるボールに、見守った安藤2軍育成コーチがうなった。

「いやすごいね、出来上がってるんじゃない? 今日のボールを見ている時点では、いいボール。活躍が楽しみなボールを投げていたね」。称賛の言葉は止まらない。「あのボールがマウンドで投げられたら、20勝ぐらいするんじゃないですか」。藤浪のシーズン自己最多勝利は15年の14勝。4年ぶりの2桁勝利、自己記録更新どころか、大台まで“予言”したのだ。

安藤コーチは背番号19の復活に向け、一緒に汗を流してきた1人。17年に現役を引退し、コーチ就任会見の際には「まず、藤浪がどういう気持ちでやっているか。自分の経験を押しつけるのではなく、一緒に考えていけたらいい」とも話していた。1桁勝利に終わった過去3年間の苦しみと藤浪が決別すると確信しているに違いない。

ポテンシャルは随一。藤浪自身も「状態がいい」という。今年は12日に初めてブルペン入り。前回14日に2度目のブルペンに入った際も「早く仕上げたいからとか、そういうのではない」と説明したが、例年に比べるとハイペース。状態の良さがうかがえる。

この日は1度目のブルペンに続き、大半をワインドアップから投げ込んだ。「(今は)タイミングがいいから振りかぶっている」といろいろなフォームを試しながら、19年仕様へ模索を続ける。2月1日、キャンプ初日のブルペン入りも視野に入れている。ギアを上げていくだけだ。【磯綾乃】