日本ハム新庄剛志監督(49)が8日、秋季キャンプ地の沖縄・国頭で始動した。選手と初対面したチーム10年ぶりの新監督は訓示後に、いきなり記念撮影。独自の練習メニューも組まれるなど、新風が吹き荒れた視察初日のチームに潜入した。

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緊張が一気に緩和した。真っ赤な新庄BIGBOSSが、ウオーミングアップ前の選手を座らせて訓示。本人の希望により内容は明かされなかったが、選手は真剣な表情で聞き入った。その直後だ。新指揮官が求めたのは、なんと記念撮影。思わぬ提案に選手からも笑い声が起き、全員でアロハポーズを決めて写真に納まった。第1クールまでと雰囲気は一変。5年目の郡は「すごくいいですよ。気持ちが明るくなる」と笑顔で振り返った。

視察初日から、直接「ビッグボス」と呼べたのは3年目の万波くらい。「(新庄監督が)びっくりしてました」と大笑いも、1年目の今川は「呼べませんでした。緊張しちゃいました」と、醸し出すオーラに思わず尻込みした。

その今川はベースランニングリレーでバトンを落とすミスもあった。しかし、午後にはうれしい出来事が。指揮官から「来年がたぶん野球人生で一番のチャンスになると思うから、オフシーズンしっかり頑張って」と言葉をかけられ、目を輝かせた。

そのリレーを免除されたのがルーキー五十幡。40メートル走をトップの5秒フラットで走破した俊足は「聞いた話だと新庄さん…ビッグボスさんが『速いのは知っているから』と言ってくれたらしいです」。

選手を楽しませつつ、きっちりと特長も把握していたBIGBOSS。その存在自体が、若手に大きな刺激を与えた1日となった。【木下大輔】