広島から戦力外通告を受けた今村猛投手(30)が、22日までに現役引退することを決めた。現役続行の意欲を示し、トライアウトを受けず、他球団からのオファーを待った。ただ、トライアウトから2週間がたっても連絡がないことから決断。「年内には(決めたい)と思っていた。仕方ないです。ズルズルいくわけにはいかない。これからの方が長いですから」。22日にマツダスタジアムを訪れ、松田球団オーナーに報告した。

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清峰(長崎)から広島入り。1年目から昨季まで通算431試合に登板した。13年にはWBC日本代表にも選出され、16年からのリーグ3連覇にはいずれも勝ちパターン入り。17年は一時抑えを任された。プロ通算21勝30敗、36セーブ、防御率3・46。115ホールドは球団歴代最多記録だ。今季は2軍で36試合、2勝1敗、防御率2・78も、1軍での登板なく、10月14日に戦力外通告を宣告された。

チームメートからの励ましなどもあり、現役続行への意欲を表明したが、30歳で現役を引退することを決めた。今後の活動の詳細は明らかにしなかったが、広島ですでに誘いがある仕事をしていく予定だという。「今はカープに来る前みたいな。楽しみと不安が両方ある。でもまた、すごい壁にぶち当たると思いますけど。今までもずっとそうだった。どうにかしないといけない」。3連覇に貢献した功労者としては、あまりにも静かな幕引きだった。それもまた、今村らしいのかもしれない。