3月に大阪・道頓堀川で約24年ぶりに見つかった「日本ケンタッキー・フライド・チキン」のカーネル・サンダース人形が25日、大阪市住吉区の住吉大社で同社の祭事に“参列”し、文化財修復のプロによる補修後初めて報道陣に公開された。

 人形は長年川底で耐え忍んだ苦労を感じさせず、投げ込まれた当時の柔和な表情のまま。同社の渡辺正夫社長や、普段店舗に置かれているきれいな人形と一緒に神事に加わった。渡辺社長は「発見された時の風合いをうまく残してもらえた。彼も満足でしょう」と話した。

 8月に始まる大阪市のイベント「水都大阪2009」で一般公開される予定。その後は「(プロ野球の)シーズン中には、甲子園球場でご披露したい」(渡辺社長)としている。

 補修作業は表面の汚れを落としコーティングした程度。ただ「体内は骨粗しょう症のような状態」(同社)で劣化していたため、展示に耐えられるよう内側を強化した。別々に見つかった上半身と下半身も結合された。

 神事の後には、阪神の監督と同姓の真弓常忠宮司からお守りも贈られた。渡辺社長は「カーネルともども、阪神も急浮上してくれれば」と低迷するタイガースにもエールを送った。

 祭事は同社が毎年、鶏の供養のため行っている。今回は補修完了と時期が重なったため、カーネル人形も参列した。

 [2009年6月25日12時44分]ソーシャルブックマーク